2008年2月20日水曜日

母べえ

今からわずか60数年前の話。

この日本に治安維持法という、国民の思想そのものを取り締まり犯罪扱いする稀代の悪法があった。

戦争に反対し、天皇制政府に意見を言うものはすべて非国民、国賊として取り締まりの対象になり、掴まり獄につながれ、命を落とした人も多数いる。

その弾圧の対象の一番にあげられていたのが日本共産党であった。

この母べえは、その治安維持法で逮捕され、残された家族の苦しみ苦悩を描いたものだった。

人間の思想そのものを悪として取り締まる、そんなことがほんとにあったのだ。

見ていてはらわたの煮えくりかえる思いとともに、当時の侵略戦争に突き進んでいく天皇制政府の野蛮なすがたと非人間性が余すところなく描かれている。

治安維持法・・・世界でも類をみない悪法。このもとでどれだけの人が殺され、逮捕され、拷問にかけられたか。

日本共産党の宮本顕治元委員長も12年間、逮捕、拷問にかけられた。小林多喜二は逮捕され拷問されて殺された。

この映画は実在の人物を描いたものだと聞いた。

今、あの侵略戦争を美化し正当化しようとする勢力が、沖縄戦での住民虐殺や集団自決などをなかったかのように教科書から削除するなどの動きが出ている時だけに、あの戦争の実相を知るうえでも多くの人々に見てもらいたい映画である。

私たち日本共産党のめざすものは、人間が人間らしく生きていける社会であり、平等と民主主義の花開く社会である。

あの野蛮な天皇制政府のもとでも未来を信じてたたかい抜いた先人達の意思と歴史を引き継ぐ者としてがんばりたいものである。

弾圧のなかで命を奪われた多くの日本共産党員をはじめとする先人達と、多くの母べえの涙と苦悩と苦しみの歴史をもっと多くの人、特に若い世代に正しく伝えなければならない。

日本が、侵略戦争という同じ過ちを起こさないためにも。





0 件のコメント:

コメントを投稿