2010年1月28日木曜日

地殻変動の予感/新たなたたかいのはじまり

 「地殻変動の予感」…、名護市長選挙をともにたたかった実感である。

 現職市長が強い地域で街頭から訴えていると、保守の市会議員が近寄ってきて、「私にも訴えさせて」とマイクを握った。「辺野古への新基地は絶対につくらせない。公平・公平な市政を実現しよう」。同じ日の夕方、訴えていると、男性が近づき外間元県議と握手し話し込んでいた。元自民党の県議で今度は応援すると語っていたという。投票日前日には、訴えをじっと聞いていたお年寄りが、「今度は稲嶺さんに入れる。息子が那覇から現市長の名刺を持って来たが、もう騙されないと返してやった」といいながら、息子の自慢話をした。息子の名を訊ねると、自民党の那覇市議だった。このような話が各地から寄せられた。

 13年前、名護市民は新基地の是非を問う市民投票で、辺野古新基地建設ノーの意思をきっぱりと示した。しかし、当時の自公政権とつながっていた市長は、市民投票の結果を踏みにじって新基地建設の受け入れを表明し市長職を辞任するという暴挙にでたのだった。市民の混乱と苦悩の始まりだった。市民、家族に分断が持ち込まれた。政府は、新基地建設を押しつけ、受け入れなければ振興策はやらないと「アメとムチ」の政策で脅し、懐柔してきた。この10年間で400億円から600億円近くが名護市に投入されたという。基地との引き換えの振興策は、基地を造るのが目的で、市民のくらしや福祉などは2の次3の次。結果は、失業率は12.5%、商店街はシャッター通りとなり、建設業など33社も倒産したという。潤ったのは、本土ゼネコンと一部の特定企業だけだったという。

 基地に頼った振興策ではくらしは良くならない、基地に頼らない名護市の振興を進めよう。この訴えは日増しに市民の心をとらえた。基地の問題も、辺野古の新基地は海兵隊の出撃拠点づくりが狙いである。海兵隊は日本を守る軍隊でも抑止力の軍隊でもない侵略の軍隊であり、普天間基地は即時閉鎖・撤去させるべきであると訴え続けた。

 もうこの基地問題を終わりにしよう。国策で翻弄されるのはもうこりごり、辺野古新基地建設は認めない、基地に頼らない名護市の振興を進めようと、保守、革新、無党派の人々の団結が実を結んだ。
 
 政府は、辺野古新基地建設と県内移設を即刻断念すべきである。新たな基地建設を県民は決して許さない。

 名護市の未来、沖縄の未来を切り開く、新たなたたかいがはじまる。

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