自宅で、昼食をとっていると、突然、窓ガラスにバーンと大きな音がして黒い物体がぶつかった。
薄い窓ガラスが割れなかったのが不思議なぐらいの大きな音だっただけに胆をつぶした。
子供たちのキャッチボールのボールでも飛んできたのかと一瞬あれこれと考えながら、窓の下をのぞくと、ヒヨドリが一羽落ちている。
あ、鳥だったのかと不思議なこともあるものだと考えながら眺めていると、その周りに配偶者か家族らしい数羽のヒヨドリが心配そうに近寄って、何かピーチク・パーチクと励ましているのか声をかけている。
脳震盪でも起こしたのだろう、このヒヨドリはなかなか動こうとしない。
しばらく見つめていたが、心配になっが家人が、猫に襲われたらいけないからと、動かそうとした瞬間に、バタバタと木陰めざして飛んで行った。
生きていたのか、無事に飛び立てるようになればとその場を離れた。
どれほど時間がたったのか定かには覚えていないが、元気になったヒヨドリが飛んでいく羽音と鳴き声が聞こえて来た時には、ほっとした気分になった。
なぜ、ガラスに突撃してきたのだろうか、何かに追われていたのだろうか。
今までにない経験だったが、ヒヨドリの夫婦の絆、家族の絆を見たような気がした。
人間だけでなく生き物すべての大事な命だ。
いずれにしても、後遺症もなく元気でいてほしいものである。
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