仕事で島尻地区を回っている途中に、日本の名水百選の一つである垣花樋川を訪ねた。
灌木の中の石畳道を下っていくと戦前あるいは琉球王朝時代へと誘われていく気配さえ漂ってくる。
石畳道を抜けると一気に眺望が広がり、そこにはこんこんと湧き出す樋川(ヒージャー)があった。
岩の間の樋からは豊富な水が吹き出し、斜面の緑の苔を流れおちていく。 苔は水をはじくようで、なんといえない自然そのものを感じさせる。他のヒージャーではなかなか見ることのできない風景だ。
かつては野菜を洗ったり洗濯したであろう下の水たまりの水辺では観光客らしき女性3人が豊かな恵みに浸っていた。
きれいな水でしか育たないというクレソン畑が下流に広がっていた。
かつては沖縄の多くの集落には大小さまざまな樋川があり自然の恵みを享受してきた。
水道が完備し、周辺の宅地開発などの影響で水質が悪化し、ほとんどが飲み水とし適しなくなっているが、このヒージャーの水は日本の名水百選にも選ばれているというから、地元の人たちがヒージャーを守る努力を行っている結果だろう。
私の生まれた首里寒川町にも寒川樋川(スンガーヒージャー)がある。市指定文化財となっているが、自治会の定期掃除の日や村拝みの時ぐらいしか訪れる人はいないのではないだろうか。
豊かな自然、歴史ある風景を残したいものである。
石畳道
岩の間から湧き出す
苔と水
苔と水
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