2013年11月11日月曜日

オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史3

 「オリバー・ストーンが語るもうひとつのアメリカ史3」を読み終えました。

 このアメリカ史は、アメリカの大統領達が世界への侵略戦争などを次々と行っていくまでの意思決定過程などを明らかにしています。

 この3巻では、フォード大統領からレーガン、ブッシュ、今のオバマ大統領などの姿が描かれています。

 1~3巻を通じて、悪魔の帝国の姿が浮かび上がってきます。世界の国々への介入、独裁国家への支援など、平気で人々を殺戮してきた悪の所業に背筋が寒くなります。

 クリントン政権時代のオルブライト国務長官は、「われわれが武力を行使するとすれば、それはわれわれがアメリカだからだ。アメリカは世界にとって書くべからざる国である。他のどの国よりも高みに立ち、はるか遠い将来までを見通している」との発言を紹介している。
傲慢で世界の国々を見下し、自分たちが神であり、何をやっても許されるという精神構造に凝り固まっているアメリカの指導者たちの姿に驚かされる。

イラク戦争に突き進んで行く過程も、ブッシュ政権時の財務長官は、「初めから、私たちはフセインを有罪と決めつけていたし、どうすれば彼を排除しれイラクを新しい国にうまれかわらせられるかを考えていたんです。そうするための方法だけだったんです。それが当時の雰囲気でした。大統領は、『よし、それを実現するための方法を探そうじゃないか』と言っていました」ということを述べていることも紹介し、イラクが大量破壊兵器を持っていないという情報や、アルカイダと繋がっていないという情報はことごとく排除され、
大量破壊兵器が存在するというニセの情報や戦争遂行の口実に役立つ情報だけを集めたりあるいは捏造していったことなどが詳しく書かれている。

とにかく世界は自分たちが支配し、それを脅かす国や勢力は絶対にゆるさない、自分たちの国だけが正しいのだという恐ろしい国、アメリカ帝国の姿が浮き彫りになっている。

同時に、この悪の帝国はいつまでも続くわけがない。世界の真理と正義の前に崩壊していくだろうという兆候が現れていることも本書は示している。

戦後の世界各地での戦争や紛争について改めて振り返り、これからの世界の平和への道筋を考える上でも多くの人に読んでもらいたいものである。


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