2013年3月2日土曜日

赤いカーネーションの花

 小林多喜二が官憲に虐殺されたとき、人の思想そのものを取り締まる無法な治安維持法によって獄中につながれていた共産党員たちは、悲しみを乗り越え、その意思を引き継いでいくことを赤いカーネンションの花を窓辺に一輪飾ることによって表したことを映画「小林多喜二」の強烈な印象として残っている。

 日本共産党の前田政明県議が、今でも信じることができないようにあっという間にこの世を去ってしまった。気晴らしのための夜釣り中の事故によるもので、党内はもとより、沖縄中に衝撃を与えた。

 「今でも大声のヤジが飛んできそうだ」と自民党県連会長は代表質問のなかで死を悼み、「熱血漢」「人情家」「基地闘争の大黒柱を失った」と多くの議員から哀悼と悲しみの言葉が寄せられた。

 くしくも沖縄では、前田政明県議を含め我々がめざしていた、オスプレイの配備撤回、普天間基地の閉鎖・撤去、県内移設断念という一致点での超党派のたたかいが展開され、新たな段階へ発展していこうとしている重要な時期を迎えている。このようなときに、たとえ不慮の事故とはいえ、県民から負託された議席を失ったことは誠に痛恨の極みである。

 しかし、いつまでも悲しみに打ちひしがれていては前田政明県議の意思に反することになる。県民から負託された5議席分を4人で担っていこう。2月26日に開会された本会議では、赤いカーネーションの花を一輪ずつ故人の議席に供えてその意思を表した。






1 件のコメント:

  1.  前田さんとの出会いは、高江の公民館で住民によるオスプレイパット建設反対集会でお会いし、名刺交換したのが最初です。
     恰幅の良い姿をしばしば沖縄の基地反対闘争の中で見てきました。
     沖縄の民意が「建白書」として直訴され、今後沖縄の統一と団結がより一層重要な時期に、かけがいのない方を亡くし非常に残念です。心から哀悼の真を捧げます。
     前田さんにしても、南米ベネズエラのチャベスク大統領にしても、県民、国民に愛された人であっても、生者必滅の理から離れられない。人間生きている内に何ができるか?何を成さねばならないか?しっかり自覚して、彼ら先人の生き方から学んで、悔いのない人生を終わって行きたいものです。

    返信削除