2013年9月2日月曜日

オスプレイの墜落事故/ボルテックリングステートの可能性

アメリカでのオスプレイの事故が、ボルテックリングステートによる可能性が高くなっている。
去年の6月議会で、このボルテックリングステートというのを県議会で初めて取り上げた。
その議事録を紹介します。


1012年7月5日 一般質問

渡久地修県議
いずれにしても、オスプレイというのは敵地に奥深く殴り込みをかけるために開発されたもので、これがこれには堂々とまた書かれているということを私たちはよく押さえる必要があると思います。
 次に、公室長、オスプレイの欠陥について、ちょうど1年前の7月1日の議会で、私、オートローテーション機能がないよというのを、米国の証言をここで質問しましたね。あれから1年たちました。この間に何回墜落しましたか。

又吉進公室長
この1年間におきましては、去る4月のモロッコ、さらに6月のフロリダ州ということで、2件の事故が起きていると承知しております。

渡久地修
室長、オスプレイにはいろんな欠陥が構造上あると言われていますけれども、この欠陥はどんな欠陥があると皆さんは認識していますか。

又吉進公室長
オスプレイの初期の事故につきましては、配線の間違いでありますとか、それから降下率の設定を間違えて急速な降下をした結果として墜落したとか、当初の5件の事故につきましては、それぞれ事故原因が解明されておりまして、それはそれなりに米軍側で対処したとしております。しかしながら、今般のモロッコあるいはフロリダの事故については、事故原因がはっきりしていない。
 議員がおっしゃるようなふぐあいにつきましては、県も先ほど議員が御指摘になりましたオートローテーションといったものを問題にしておりまして、確かにオートローテーションというのは回転翼機の機能でございますけれども、オスプレイは回転翼機モードと固定翼機モードを持っていて、その中間のモード、転換モードというものがあると。その部分でオートローテーションがどのように機能するかというのが各種文献の問題であるというふうに認識しております。この点につきましては、現在、防衛省に対して再度確認を求めているところでございます。

渡久地修
オートローテーション機能がないというのはいろんな研究者の間から指摘されています。それともう一つ重大な欠陥、ボルテックス・リング・ステートに陥りやすく墜落する欠陥を持っていると。ボルテックス・リング・ステート(VRS)に陥りやすいということを認識していますか。

又吉進公室長
VRSにつきましては、米本国で起きた2件目の事故の原因とされておりまして、これは回転翼機の特性といたしまして、急激な降下をしたときに、その降下気流の中に機体自体が巻き込まれて揚力を失うという事態だというふうに承知しておりますけれども、このことについては、コンピュータープログラムを改善して修正したというふうにアメリカ側は説明しております。

渡久地修
このボルテックス・リング・ステート(VRS)というのは、今おっしゃったように、回転していわゆるヘリコプター固有のもので、これが降下するときに下降気流が起こって、これに速度を間違うとみずから巻き込まれて墜落するということがこのVRSと言われているものなんです。これについてアメリカの政府監査院(GAO)というところが報告書を出していますけれども、これについて皆さんは承知していますか。

又吉進公室長
 ちょうど手元にございませんけれども、その報告書類につきましては、県は一応一通り入手してございます。

渡久地修
入手しているということなので、ここにGAOの報告書がありますけれども、この19ページにはこう書いてあります。(資料を掲示) 「ヘリコプターモードのときに揚力不足でコントロールできなくなるヴォルテックス・リング・ステートという状態を避けるには限界が出てきている。VRSはどんな回転翼航空機にも起こりえるが、V22では、前進速度と定率降下が規定された幅にあるときに避けがたくなると考えられている。」と。「特にV22では、片方のプロペラの揚力が不足する結果になり、機体がひっくり返る。」という報告書をアメリカ政府の監査院が出しているわけですよ。ですから、オートローテーション機能だけではなくて、このボルテックス・リング・ステートというのも、これはもうこのV22の決定的な欠陥なんですよ。だから、こういったものが配備されるということは、もう沖縄じゅうを危険にさらすということになるので、ますます配備は絶対許してはならないと思います。知事、どう思いますか、この欠陥について。

又吉進公室長
今議員が御指摘になった事項というのは、県もいろいろその情報を集めているところでございますが、これまでさまざまなふぐあいがあって、それを修正されたものもあるというふうに説明されておりますけれども、直近のモロッコ及びフロリダの事故につきましては、現実に墜落という事態が起きておりまして、さらに人の命も損なわれているという中で県民が不安を抱くのは、これはもう当然でございまして、この墜落という事実の前に、県はこの配備については反対であると申し上げているところでございます。

渡久地修
直近の事故ですけれども、アメリカの報告によると、機体には別に何もないと。ところが、微風が吹いたというんですよ、微風、そよ風。だから、それによって、さっき言ったボルテックス・リング・ステートというのが変化して急激に落ちたということも可能性としてはあるわけです。ですから、これは絶対認められないと。
 そしてもう一つ、先日の県内紙に、米下院監視・政府改革委員会が国防総省にオスプレイの保有機数の乖離について報告を求めたというのが載っていましたね。これは公室長、御存じですか。

又吉進公室長
済みません、その記事は読んでおりません。

渡久地修
ちょっとびっくりだね、大きく載っているのに。
 政府改革委員会が国防総省に、予算では126機つくっていることになっていると。ところが、12機が事故と故障で失われているので114機あるはずだと。そしたら、海兵隊は71機保有していると報告してきていると。その差が43機。これは何だということで議会が求めたら、一切答えないと。だから答えなさいということでやりとりをやっているという。これはもうまさに不良品か、重大な事故に至るまでの故障であるいは廃棄になったかもしれない。こういったものまで十分調べないといけないですよということを私は言いたいと思うんですけれども、どうでしょう、知事。

又吉進公室長
 オスプレイの今おっしゃいました情報については、私は承知していなかったわけですけれども、オスプレイに関するさまざまな情報につきましては、県はあらゆる手段をもって情報収集をしておりまして、その配備の実態、計画についても、今後、政府、あるいは場合によっては米軍にその情報を求めていこうと考えております。

渡久地修
知事、今出たオスプレイのオートローテーション機能、それからボルテックス・リング・ステート、あるいは今のオスプレイの数が43機も数が違うと、だからこれは故障じゃないかとか、不良品だったんじゃないかなといういろんな疑問も出ているわけですから、そういったものをきちんと県としても日米両政府に求めて県民の前に明らかにすると、そうでない限りこういったものは絶対認められないというのはもう当然だと思うんですけれども、そういう意味で、知事のオスプレイ配備は絶対許さないという明確な決意をもう一度お聞かせください。

仲井真弘多県知事
 今のは議員がよくお調べになっておられること、そしていろんな欠点といいますか、ふぐあいといいますか、そういうものがいろいろある。また、基本的な設計思想の中にも弱点があるのではないかという点などなど、知事公室で今いろいろと情報収集しておりますが、どれをとってみてもいいデータというのは余りないという点を考えますと、配備計画は中止というのがやっぱり強く要求していくべきだと改めて決意を新たにしているところです。

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